木綿のハンカチーフと感想と

｢木綿のハンカチーフ｣という歌をずいぶんと久しぶりに聴いた。最後辺りで、思わずほろりとさせられた。
その後、この歌によせた感想をいくつか読んだ。それらの感想を読んでみて、これらの感想の違いは、どこから来るのかと、考えた。
その結果出て来た答えは、この違いは、｢同情｣と｢共感｣の違いだな、と思えた。
両者の違いとは、同情は、相手と顔と顔とを向き合わせながら、沸き上がって来た、相手に対する自分の感情。
それに対して、共感は、相手の横に立って同じ方向を向いて、同じ風景を見ながら感じた感情。
だから、共感の場合には、自分の個人的な感情ではなく、より客観的で知性的な冷静な感情である。
他方、同情は、相手の見ている風景に刺激されて、自分の過去の体験が沸き上がり、そこから生じた個人的な感情である。
それらを脳科学的に言えば、共感は、主に大脳新皮質のミラーニューロンが働き、同情は、主に大脳辺縁系の扁桃体が働くことによって生まれ出る。
これは、どちらかが良くて、どちらかが悪いということでは、決してない。どちらも、長所が有り短所がある。