私は、極めつけの遅読派である。速読者は、一冊を数十分程で、読破する。私的な解釈かもしれないが、速読は、知識の獲得に重きを置いていると、感じる。
それに対して、遅読は、本と、更にはその奥に居る本の作者との対話である。成程と納得したり、うん、そうかな、と違和感がちらついたり、私は違うと思う、と疑問を唱えたりしながら読み進む。
あるいは、私がそうときが多いのだが、本は、読書は、私の経験との対話である。本の内容や文章や言葉が、私の過去の経験を呼び覚ます。そこで、私は、過去の経験を追体験して、そこから様々な示唆、発見、再解釈を手に入れる。
その事によって、私の過去の経験はぐっと深まる。その事によって、以降の自分の経験や他人の経験への解釈が深まる。
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